ドッグフードの栄養添加物(ナイアシン)

ナイアシンはエネルギー生成に関わる栄養素で、食品ではレバーや肉・魚、乳製品、豆や穀類などに含まれている水溶性ビタミンです。
ニコチン酸やニコチンアミドとも呼ばれ、ドッグフードの原材料欄ではナイアシンではなくニコチン酸・ニコチン酸アミドと記載されていることがあります。
ニコチン酸は植物性の食材に多く含まれるナイアシンで、ニコチン酸アミドは動物性の食材に多く含まれています。

ちなみにナイアシンは水溶性ビタミンの中では比較的安定している物質で、酸性やアルカリ性、加熱などによって壊れにくいことが知られています。
ただし熱湯には弱く、煮る調理では煮汁にほとんどのナイアシンが流れてしまうと言われています。

フードを熱いお湯でふやかした場合はしっかり冷まし、ふやかす時に使用したお湯も残さず与えるのがお勧めです。
またウェットフードや缶詰の場合も煮汁を残さず、全て与えるようにしましょう。

ニコチンとニコチン酸の違いについて

ニコチン酸(ナイアシン)と似ている名前の成分にタバコに含まれる有害物質・ニコチンがあります。
ニコチン酸はニコチンを硝酸などによって酸化させたものです。

ニコチンとニコチン酸では体内で代謝されると全く違う物質になり、ニコチンは体内で代謝されると約70%がコチニンと呼ばれるアルカロイドに変わるのに対し、一方のニコチン酸は肝臓に取り込まれた後にビタミンBとして働くニコチンアミドへと変換され、体内の各組織へ運ばれていき吸収されます。

ニコチンは犬にとって中毒性の高い有害物質ですが、ニコチン酸は上記の通りビタミンB群のナイアシンとして働くため犬にとって有害性の少ない物質だと考えられています。

ナイアシン不足で起こる症状について

ナイアシンは体内でアミノ酸であるトリプトファンから合成され、トリプトファンが肝臓で代謝されるとナイアシンになります。
そのためナイアシン不足を防ぐには栄養添加物やナイアシンの豊富な食品をとるだけでなく、トリプトファンが豊富な食品をとることでも防ぐことができます。
ちなみにナイアシン1mgはトリプトファン60mgから合成できます。

ナイアシンが不足すると口内炎や皮膚炎を起こすことがあり、下痢や精神症状を引き起こすことがあると言われています。
ただしナイアシン不足による症状は現在、犬ではほとんど見られないと言われています。

昔、トリプトファンの少ないとうもろこしを主食にしていた貧しい国や地域では、ナイアシン不足によって犬に黒舌病があらわれたことがあったそうです。
ただし現在のドッグフードにはとうもろこしも含まれていますが、タンパク質の源である肉や魚も含まれているためナイアシン不足を心配する必要はありません。
もしも心配なら大豆や小麦、レバー、肉や魚などトリプトファンが豊富な食材をメインに使用したフードを選ぶと良いでしょう。

ナイアシンはエネルギーの生成に関わっているため、活動量が増えるとそれだけ必要なエネルギー量が増え、ナイアシンの要求量も高くなります。
活動量が多く活発な犬の場合も、トリプトファンあるいはナイアシンが豊富な食材を使用したフードを選ぶのがお勧めです。

ナイアシンの過剰について

ちなみにナイアシンは過剰にとっても尿から排泄されるため、とりすぎによる心配はあまりないビタミンだと言われています。
ナイアシンを始めとした水溶性ビタミンは必要量を満たすまでは体内に蓄積されるものの、必要量を満たすと尿から排泄される量が増える傾向があります。

ナイアシンは粘膜や皮膚の健康維持にも

ナイアシンは粘膜や皮膚の健康維持にも役立つ栄養素で、犬の皮膚疾患用療法食でもナイアシンを強化し配合していることがあります。
療法食は獣医師の処方が必要となるため、何等かの皮膚症状があり食事の栄養面やフードの見直しを行いたいという時には動物病院で診断を受け、食事についても相談してみましょう。

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