ドッグフードの栄養添加物(塩化カリウム)

カリウムは食品の中では乳製品や魚介類、大豆や米糠、小麦ふすま、果物、野菜、海藻などに多く含まれているミネラルです。
カリウムは体内にも多く含まれ、体内に存在するミネラルの中では3番目に多いミネラルです。
90%は細胞内中に、8%は骨に、2%は細胞外液に存在しています。

塩化カリウムはカリウムの補給源として添加される化合物です。
カリウムの栄養添加物としてはその他にクエン酸カリウムがありますが、食品に広く用いられているのは塩化カリウムです。

カリウムとナトリウムの関係について

カリウムはナトリウムと共に血液や体液の中で電解質として働いており、浸透圧やpHの調整、また神経系における情報伝達をするなどの役割を持っています。

ナトリウム-カリウムポンプについて

ナトリウムは細胞外溶液で陽イオンとして働いているのに対し、カリウムは細胞内で陽イオンとして働いています。
細胞内外にあるナトリウムイオンとカリウムイオンの濃度が異なるのは、この2つがエネルギーの放出や貯蔵を行うATP(アデノシン三リン酸)という化合物を利用して、細胞内外へと運び出されているからです。
この構造は細胞膜ナトリウム-カリウムポンプと呼ばれ、動物のすべての細胞にある共通の構造であり、生命活動に携わる重要な構造となっています。

ナトリウム-カリウムポンプはその構造によりカリウムイオンは細胞内へと運び込まれ、ナトリウムイオンは細胞外へと運び出される仕組みになっています。
この細胞内外でのイオンの濃度差は、神経伝達や情報伝達に必要な活動電位を生み出すことにつながっており、生命活動を支える重要な構造になっています。

カリウムの過不足について

摂取したカリウムのほとんどは速やかに細胞内に吸収され、過剰なカリウムは尿や便から排泄されるため、細胞外液ではカリウムが常に一定の低濃度になるよう保たれています。

カリウムの不足

カリウムは体内で貯蔵する時間はあまり長くなく、毎日食事からとる必要があると考えられていますが、カリウムは肉や魚、野菜や豆や穀類など、あらゆる食品に含まれています。
そのため通常不足することはなく、ドッグフードにはそれらの食材だけでなく栄養添加物としてカリウムも加えられているため、健康な犬では不足症状について心配する必要はあまりないと考えられています。
またドッグフードの総合栄養食でもカリウム量の最小値が定められています。

ただし嘔吐や下痢、多尿症などが長く続く場合はカリウム不足の心配があります。
体調不良時は速やかに獣医師の診察を受けると共に、適切な食事や水分補給方法などについてアドバイスを受けましょう。

カリウムの過剰

ドッグフードでは過剰症があらわれるほどカリウムを添加することはないため、ドッグフードの栄養基準値では限度量について特に定めはなく、心配する必要もあまりないと考えられています。

ただし腎臓に障害があり、カリウムの排泄がうまくできない場合は、体内のカリウム濃度が高まることがあります。
体内でカリウム濃度が高まると様々な悪影響を及ぼすことがあり、特に心臓の神経伝達はカリウムとの関わりが深いため、心臓の動きが乱れて重篤な症状を起こすこともあります。

腎臓に何らかの異常が疑われる時は、獣医師の適切な診察を受けると共に、与える食事やカリウムの適正量などについても相談を行っておきましょう。

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