ドッグフードの栄養添加物(塩化コリン)

コリンは動物性食品では卵やレバーに多く、肉や魚などのタンパク質の多い食品に含まれています。
植物の中ではほうれん草やセロリ、キャベツなどの緑の葉菜類や、大豆、えんどう豆、ソラマメなどの豆類にも豊富です。
ゴボウや里芋、長芋などの根物野菜やキノコなどにも含まれています。
栄養添加物としては塩化コリンの形で使用されています。

コリンは体内で作ることができる

コリンは細胞膜の構成や循環器や脳機能に関わりが深い栄養素で、水溶性と脂溶性の両方の性質を併せ持っています。
体内で合成することができ、肝臓でアミノ酸のセリンから合成されています。

ほとんどの動物は肝臓でコリンを合成することができますが、海外では体内で作る量だけでは必要量を満たせないため食事からとる必要があると言われている栄養素です。

コリンの体内要求量について

コリンは体内で様々な役割を持つため、他のビタミンよりも多くの量を体内で必要とし、ドッグフードにも安定した化合物として塩化コリンが十分量添加されています。

ただし他のビタミンよりも体内要求量は多いものの、人間ではコリン欠乏症が見られないため日本人の食事では特に推奨量などについては定められていません。
アメリカでは必須栄養素に指定されており、日本のドッグフードの総合栄養食もAAFCO基準が採用されているためコリンの最小値が設定されています。

コリンの過不足について

コリンはアミノ酸の代謝に関わりの深い葉酸やビタミンB12、メチオニンと共にアミノ酸の代謝や化合物の産生に共同で働いているため、葉酸やビタミンB12の欠乏、食事に含まれるメチオニンの量によっては、体内でのコリンの要求量が変わってくる可能性があります。
また犬のコリンの要求量は成犬よりも若い犬の方が多い特徴があり、実際に犬が必要とするコリンの要求量はライフステージやフードに含まれるその他の栄養素や成分に左右されやすい特徴があります。

コリンの過不足が疑われる時は、ライフステージによる影響もありますが、他のビタミンや栄養の不足あるいは過剰が同時に起こっている可能性もあるため、心配な時は体調の診断はもちろん適切な食事について獣医師などの専門家に相談するようにしてみましょう。

コリンから作られる成分について

コリンは古くから脂肪代謝や肝硬変防止に役立つ栄養素として知られており、脂質の輸送にも関わりが深い成分です。

またコリンはリン脂質やレシチンなどの生体膜の構成成分でもあり、コリンからは生体膜や神経伝達物質など、生命活動に関わりの深い物質が作られます。

レシチン

コリンから作られるレシチンは、水と油の両方になじみやすい性質を持っており、脂質や脂溶性ビタミンなどを包みこんで吸収しやすくしてくれたり、肝臓から中性脂肪を運び出す手助けをしてくれたりします。

レシチンは動植物や微生物に広く分布しているリン脂質で、体内で作られるだけでなく、食品からとっていることも多く、レシチンが豊富な食品としては大豆や卵黄などが有名です。
このレシチンもコリンと同様、ドッグフードの原材料に使用されることがあります。

アセチルコリン

またコリンや、コリンから作られるレシチンからはアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が合成されます。

アセチルコリンは筋肉の収縮を促進し、副交感神経を刺激して脈拍を遅くしたり唾液の産生を促したりする働きがあります。
そのため体内でアセチルコリンの濃度が低下したり、逆に増えすぎたりとアセチルコリンの合成や分解に異常が出ると重篤な症状に陥りやすくなります。

アセチルコリンの合成や分解に異常がある場合は有毒な物質(殺虫剤や水銀、有毒ガスや薬剤など)が関わっている可能性が高いため、そのことだけ覚えておきましょう。

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