ドッグフードの栄養添加物(硫酸コバルト)

コバルトは野菜などの植物性食品に含まれているミネラルで、動物の体内ではビタミンB12の形で存在しています。
またコバルトを常に摂取する動物の体内には微量のコバルトが存在すると言われており、人間の赤血球内ではヘモグロビンと結合した状態で存在するそうです。

硫酸コバルトはコバルトの硫酸塩で、栄養添加物としてドッグフードに加えられていることがあります。

ビタミンB12とコバルトが発見された経緯

ビタミンB12が発見される前だった1930年代に、アメリカやオーストラリアなどで牛や羊などに貧血や食欲減退、筋肉萎縮などの原因不明の症状があらわれました。
その原因は、土壌中と牧草に含まれるコバルト濃度が低かったことにありました。
1948年にはコバルトを含むビタミンB12が発見され、上記症状の原因がビタミンB12の不足であったことが解明されました。

この症状はコバルトではなくビタミンB12によって回復し、コバルトの場合は大量に与えなければ回復しなかったことから、腸内細菌によってコバルトからビタミンB12が作られていることも解明されました。

コバルトとビタミンB12の関係

コバルトはビタミンB12を構成するのに必要不可欠だと言われているミネラルで、ビタミンB12は体内で腸内細菌によって合成されています。
そのため腸内細菌にビタミンB12を作らせるには十分量のコバルトを細菌に与える必要があります。

腸内細菌の作るビタミンB12について

腸内細菌が作るビタミンB12は、胃で細菌を培養できる牛や羊などの反すう動物であれば小腸から吸収することができますが、人間や反すう動物以外の動物の場合は主に大腸でビタミンB12が作られています。
そのため、体内で自然に合成されたビタミンB12はほとんどが排出され、大腸からビタミンB12を十分に吸収することは難しいとも言われています。
ですから、コバルトがどの程度犬にとって有用なのかははっきりとはわかっておらず、ドッグフードの総合栄養食ではコバルトの添加について特に基準などは設けられていません。

コバルト不足とビタミンB12の不足について

コバルト不足によって仮にビタミンB12不足が起こったとしても直接ビタミンB12を補えばあまり問題はないと考えられています。

またドッグフードの総合栄養食には犬にとって最低限必要なビタミンB12が配合されています。
ビタミンB12は水溶性ビタミンの中で、唯一肝臓で蓄積することができるビタミンのため、健康な犬であれば不足症状についてあまり心配はないと考えられます。

コバルトの有害性について

コバルトは他のミネラルと拮抗するためコバルトを大量に摂取すると、他のミネラルの吸収が阻害されることがあります。

また硫酸コバルトは人では発がん性が指摘されているミネラルで「人に対して発がん性があるかもしれない物質」に分類されています。

コバルトの有害性についての不明点

ただし動物実験ではコバルト化合物を投与した場合、体内に微量に存在するコバルトと交換され、尿から排泄されたという報告もあります。
そのためどの程度コバルトが体に対して有害なのかがまだはっきりとはわかっていません。

コバルトはドッグフードに添加されていることが多いミネラルですが、必須ミネラルではなく、有用性も有害性もはっきりとはわかっていないため取り入れる際は慎重に検討するのがおすすめです。
コバルトを含むフードとの相性が悪いと感じた場合は、体調や犬に合った食事について獣医師などの専門家に相談してみるようにしましょう。

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