ドッグフードの原材料表示(ビートパルプ)

ビートパルプはドッグフードの食物繊維源として取り入れられることが多い副産物で、甜菜(てんさい)またはビート、サトウダイコンと呼ばれている植物から砂糖をとりだした後の搾りかすを圧搾・乾燥させて作られています。

水溶性の食物繊維と水に溶けない不溶性の食物繊維をバランス良く含んでいるため、お腹の中で適度に膨らみ、フードの腹持ちを良くしてくれたり、糖分や栄養が急激に吸収されるのを防いでゆるやかな消化・吸収を助けてくれたりします。

また食物繊維は便のかさを増すことにも役立つ栄養素で、ふくらんだ便が腸内の掃除をしてくれたり、また腸内細菌に栄養を届けやすくしてくれたりします。

ただし食物繊維は多すぎるとフードのカロリーを低下させたり、栄養素(特にミネラル)の吸収を阻害したりすることがあるため、多すぎず少なすぎずの適度な量をとらせることが必要です。

食物繊維の割合は「粗繊維」の成分量で確認できるため、犬の体調や糞便の様子をよく観察して相性の良い適度な繊維量のフードを探してみるようにしましょう。

その他、ビートパルプの特徴や注意点は以下の通りです。

ビートパルプに含まれている食物繊維

ビートパルプに含まれている食物繊維の種類にはペクチン、ヘミセルロース、セルロース、リグニンなどがあり、可溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維をバランス良く含んでいます。

食物繊維は胃や小腸では消化されずに大腸まで運ばれ、腸内にいる微生物によって分解されるのですが、その消化率は繊維の種類によって異なります。
一般的にペクチン>ヘミセルロース>セルロース>リグニンの順で消化率が高くなると言われています(ちなみにリグニンは犬が分解できない繊維です)。
またペクチンとヘミセルロースは微生物によって分解され発酵しやすい繊維ですが、セルロースは分解されにくいことが知られています。

微生物によって分解されやすい繊維(ペクチンやヘミセルロース)を配合したフードを犬に与えると、繊維を分解してくれる腸内細菌が増え、結果として腸内における最終生成物である短鎖脂肪酸が増えると言われています。

(※短鎖脂肪酸......腸管のバリア機能改善や免疫機能の調節、肥満や糖尿病の予防効果が期待されている脂肪酸のこと。酢酸、プロピオン酸、酪酸の三種が代表的な短鎖脂肪酸である。)
そのためペクチンやヘミセルロースを多く含むビートパルプは、ドッグフードだけでなく犬用の健康食品などにも使われることがあります。

海外産のビートパルプは遺伝子組み換え作物を利用していることがある

甜菜(てんさい)またはビート、サトウダイコンは、日本ではまだ遺伝子組み換え作物の商業栽培は行われていませんが、海外の国によっては生産量の多くを遺伝子組み換え作物が占めていることがあります。
そのため輸入品のビートパルプの場合、遺伝子組み換え作物由来の飼料である可能性があります。

遺伝子組み換え作物を使用した飼料は国によって安全性が確認されており、国によって認可されたものしか輸入することはできませんが、遺伝子組み換え作物は作られてからの歴史がまだ浅く、長期的に見てどのような影響があるのかはっきりとはわかっていない部分も多くあります。

ビートパルプだけに限らず、近年では飼料やペットフードに良く用いられる大豆も遺伝子組み換え作物の割合が増えているため、気になる場合は遺伝子組み換え作物の使用有無について明記してあるフードを選ぶようにしましょう。

ビートパルプは副産物と呼ばれる、人間用の食品製造途中で出る不可食部分を使用しているため、あまり良くないイメージを持たれがちな原材料ですが、上記の通り犬にとって有用な部分も持ち合わせている原材料です。
ただし食物繊維量が多すぎると、フードの栄養バランスに偏りが出てくる恐れがあるため、適度に使用されているフードを選ぶのがお勧めです。

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