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ドッグフードの成分表示(粗灰分)

ドッグフードの成分表示で義務付けられているのが、粗タンパク質、粗脂質、粗繊維、粗灰分、水分の5つの成分表示です。

その中の灰分は検査対象である食品を燃やして灰にし、有機物や水分を取り除いた成分のことで主に無機物(ミネラルなど)の量をあらわしています。
ただし現状、純粋な無機物のみの値を分析するのは難しく、検査対象の成分の中には酸化物なども含まれていることから純粋に灰分として表示するのではなく、頭に「粗」の文字をつけた「粗灰分」として表示されるようになっています。

その他、粗灰分の表示をドッグフード選びで参考にする時は、以下のような点に注意してみましょう。

粗灰分の「以下」の意味

ドッグフードの成分値には「以上」や「以下」という表示もなされています。
以上は最低保証成分をあらわす言葉で、犬にとって必須の栄養であるタンパク質と脂質にいついては「〇%以上の栄養が含まれている」という意味で「以上」という言葉が採用されています。

一方、繊維や灰分、水分に関しては多すぎるとドッグフードのカロリーが低くなったり、他の栄養を摂取できなくなってしまったりする恐れがあることから、最高含有量をあらわす「以下」という表示が採用されています。

粗灰分の材料や量について

他の成分と異なり、ドッグフード中のミネラルに関しては、食材ではなく添加物として加えられているものが中心です。
それはミネラルが他の栄養とは異なり、特定のミネラルを多く与えると他のミネラルの吸収を阻害してしまうことがあるため、バランス良く配合することが重要になるからです。

特にバランスが重要なミネラルとして知られているのが、カルシウムとリンです。

総合栄養食の基準として採用されているAAFCO基準でも、このカルシウムとリンの比率(成長・繁殖期・妊娠・授乳期では1:1、成犬・維持期では2:1)が定められています。

またそれぞれのミネラルの含有量もAAFCOでは定められており、具体的にはカルシウム、リン、ヨウ素、セレンについて、それぞれフード中に含めるべき含有量の最小値、最大値が決められています。
マグネシウム、鉄、銅、亜鉛については1997年の基準では最小値・最大値が決められていたものの2006年の改訂版では最大値が取り外されています。
またカリウム、ナトリウム、塩素、マンガンについても最小値のみの設定となっています。

ドッグフード中に含まれる、ミネラルの注意点について

ミネラルは少なすぎても多すぎても支障が出やすい成分ですが、多すぎた場合の健康上の影響がまだはっきりとはわかっていない成分も多くあります。
そのためわかっているものに関しては上記のようにAAFCO基準によって最大値が決められていますが、根拠となるデータがないもの、根拠となるデータが不適切だと判明したものに関しては最大値が取り払われているのが現状です。
またミネラル分量の分析結果には反映されるものの、実際に体内で利用するのは難しいミネラルがあり、これも各ミネラルの最大値を決めるのが難しい要因となっているようです。

ドッグフードによく使われているミネラルで実際には体内で利用されず、ほとんど排出されてしまうものがあり、よく知られているのは着色料として使用される「酸化鉄」や「酸化銅」があります。

また植物性の原材料に含まれている食物繊維やフィチン酸はミネラルの吸収を抑制することが知られており、ビタミンなどの栄養素には逆にミネラルの吸収を促進するものがあることが知られています。

ドッグフード中に含まれているミネラルは上記のように含有量が定められていますが、実際にその量が体内で適切に吸収され利用されているかどうか、また加えられているミネラルの種類や量が適切かどうかについてはフードメーカーの判断に委ねられている一面があります。

フードメーカーによっては、添加している各ミネラルがどの程度生体利用可能かをあらわすため、ミネラルイオンに結合している成分がわかるよう表示しているものがあります。
ミネラルイオンにどのような成分が結合しているかによって、体内でミネラルが利用できる確率が変わってくるからです。
(※キレート化されたミネラルほど体内吸収率が良くなります)

ひとつひとつのミネラルの体内吸収率を調べるのは大変ですが、特定のミネラル欠乏症や過剰症が疑われる時には、フードに利用されているミネラルの成分情報が大変役に立つため、フード中のミネラルの欠乏・過剰が心配な時は、なるべく成分名を細かく表示してくれているフードの中から選ぶようにしましょう。

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