ドッグフードの成分表示(粗脂肪)

ドッグフードのパッケージには、粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の5つの成分表示が義務付けられています。

その内の「粗脂肪」では、ドッグフード内に含まれている脂肪の成分割合が表示されています。
頭に「粗」がついているのは脂肪の分析を行う際に、純粋に脂肪分のみを検出することが難しく、脂肪の中に溶けているビタミンやその他の成分も分析値に反映されてしまうからです。
ちなみにこの分析は人間の食品に含まれる脂肪分を分析する方法とほぼ同じ方法ですが、ドッグフードの成分表示では分析の精度をあらわすために、あえて頭に「粗」という言葉をつけて表示しています。

その他、粗脂肪の表示で確認しておきたい点は以下の通りです。

粗脂肪の「以上」の意味

ドッグフードの粗脂肪の欄には成分割合と共に「以上」という表記がなされています。
これは脂肪の最大含有量ではなく、最低保証成分をあらわしているためです。
「以上」という表記が採用されている成分にはタンパク質もあります。
犬にとってタンパク質と脂質は栄養上必須の成分となるため、「この割合以上はタンパク質や脂質が含まれている」という意味で最低保証成分が表示されるようになっています。

粗脂肪の材料になる食材

粗脂肪は脂質とも呼ばれる栄養で、動物性の食材だけでなく植物性の食材からもとれる栄養素です。

脂質に大まかに3つの種類があり、肉や乳製品などに多く含まれている「飽和脂肪酸」、植物油や魚などに豊富に含まれている「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」が栄養上重要な脂質としてよく取り上げられています。

それぞれの脂肪酸を多く含み、ドッグフードで使われることのある原材料には以下のような食材があります。

飽和脂肪酸......
豚肉、牛肉、ラード、牛脂、チーズ、卵黄など

一価不飽和脂肪酸......
鶏肉、鶏脂、卵、米ぬか油、ひまわり油(高オレイン酸)、なたね油、オリーブ油など

多価不飽和脂肪酸......
(オメガ3系)魚類、魚油、亜麻仁、大豆油など
(オメガ6系)大豆、とうもろこし、米ぬか油、大豆油、鶏脂、ひまわり油(高リノール酸)、コーン油、なたね油、ルリチシャ油など

粗脂肪は多い方がいい?少ない方がいい?

脂質が多いとカロリーが高いフードとなり、脂質が少ないとカロリーも同時に低いフードとなります。
脂質はエネルギー源となるため、多すぎると肥満につながる恐れがありますが、逆に少なすぎるとエネルギーをきちんととることができないため、過度にやせさせすぎることがあります。

また脂質の中には食物からしかとることができない必須脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)も含まれているため、脂質は多すぎず少なすぎず、バランス良く(特にオメガ3系とオメガ6系)適度な量をとらせることが必要です。

総合栄養食に採用されているAAFCOの基準値では、成長・繁殖期・妊娠・授乳期の犬で乾物当たりの脂質最小値が8.0%(乾物量)、成犬・維持期では最小値が5.0%(乾物量)(いずれもAAFCO1997版の基準)となっています。

また2016年に改定されたAAFCO基準値では、成長・繁殖期・妊娠・授乳期の犬で乾物当たりの脂質最小値が8.5%DM、成犬・維持期で最小値が5.5%(乾物量)、オメガ6系であるリノール酸+アラキドン酸とオメガ3系であるαリノレン酸+DHA+EPAの配合バランスは最大で30:1までとなっています。

ちなみに脂質をどの程度の量までとらせていいかは犬の体調、体質によっても異なります。
また犬の肥満を予防したいのか、減量させたいのかで、与える脂質量をどの程度抑える必要があるかが変わってくるため、適切な脂質量については獣医師など犬の栄養に詳しい専門家に相談を行ってみるようにしましょう。

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