ドッグフードの素材(動物性油脂)

動物性油脂は、肉類の中で人間の食用にならない脂肪を溶かして精製した油脂で、鶏や豚では骨や内臓から油脂を取り出すこともあります。
畜産副産物とも呼ばれています。

国産の動物性油脂には、大まかに以下の種類があります。

・牛脂(タロー)......牛の脂肪からとりだした油脂。
・豚脂(ラード)......豚の脂肪、あるいは骨、内臓など食用にできない部分からとりだした油脂。
・鶏脂(チキンオイル)......鶏の脂肪、あるいは骨、内臓など食用にできない部分からとりだした油脂。
・魚油(フィッシュオイル)......魚のアラなどからとりだした油脂。

ドッグフードの原材料欄には各油脂名を個別に表示していることもありますが、まとめて「動物性油脂」と表示されていることも多く、どの動物性油脂を使用しているかは不明なことが多いのが現状です。
また油脂に使用する原材料は国によって違いがあるため、輸入フードの場合は動物性油脂に使用されている原材料についても確認するのがお勧めです。

ちなみに国産の動物性油脂の場合、人間の食用にする油脂では目的用途ごとに油脂を使い分けることが多いため、牛脂や豚脂など種類ごとにきちんと分けて製造され、販売されています。
一方で飼料用やペットフード用に使われる国産動物性油脂は用途ごとに脂を使い分けることが少なく、ニーズ自体が少ないためか牛脂と豚脂、または鶏脂を混ぜて「動物性油脂」として販売されることが多いようです。

そのため動物性油脂と表示されていて、それが国産だった場合、上記油脂が混合している可能性が高く、栄養面で不明な点が多いと考えられます。
もしも不安であればフードメーカーに直接問い合わせてみるか、牛脂、豚脂、鶏脂など種類や原産国までしっかり明記してくれているフードを選ぶのがお勧めです。

牛脂について

牛の脂肪の融点は40~50℃で、体温で溶けにくいため吸収率が良くない脂肪として知られています。
そのため牛の脂肪は食べても排出されやすい一方で、吸収された場合は体内で蓄積しやすいという特徴があります。
また融点の高い脂肪は低い脂肪よりも品質が変わりにくく安定性が良いことから、長期保存に向いています。

牛脂に含まれる脂肪酸は飽和脂肪酸が多いものの、脂肪酸の種類では一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が最も多く、約4割を占めています。
飽和脂肪酸の中ではパルミチン酸とステアリン酸が多く、合計で約5割程度を占めています。

飽和脂肪酸は中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させやすいことから摂りすぎに注意が必要だと言われています。
食事制限で脂質について何らかの制限が必要な場合には、フードに使用されている動物性油脂の種類について確認したり、獣医師などの専門家に相談したりするのがお勧めです。

豚脂について

豚脂は牛脂よりも融点が低く、36~46℃で溶けやすくなります。
そのため牛脂よりは体温で溶けやすく吸収しやすい脂です。

脂肪酸の中では一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が最も多く、約4~5割を占めています。
健康面でとりすぎに心配がもたれる飽和脂肪酸は牛よりも少なく、パルミチン酸とステアリン酸を合わせて約4割程度です。
必須脂肪酸であるリノレン酸やアラキドン酸も豚脂には含まれています。

鶏脂について

鶏脂は牛脂・豚脂に比べて融点が30~32℃と低く、約5~6割を不飽和脂肪酸が占めているためヘルシーなのが特徴です。
脂肪酸の中で多いのが一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸で、オメガ6系の多価不飽和脂肪酸であるリノール酸も豊富です。
飽和脂肪酸の中ではパルミチン酸が豊富で、約2割程度を占めています。

融点が低いため吸収しやすい反面、不飽和脂肪酸が多く酸化しやすいため、保存性や安定性の面では牛脂・豚脂に劣る特徴があります。

魚油について

魚油は常温で溶ける大変溶けやすい油で、不飽和脂肪酸が6割以上を占める酸化しやすい油でもあります。
魚油で特徴的なのが多価不飽和脂肪酸で必須脂肪酸とも呼ばれるDHAとEPAが豊富なことです。
一価不飽和脂肪酸の中ではオレイン酸が豊富です。

魚油は上記の通り酸化しやすく保存性・安定性の面では劣るため、酸化防止処理や酸化防止剤の使用が避けられない油でもあります。

動物性油脂はほとんどのドッグフードに使用されている、とてもメジャーな原材料ですが、中身については不明な点が多々あります。
そのため動物性油脂を使用しているフードを選ぶ場合は、油脂の種類について明確に記載してくれているフードを選んだり、フードメーカーに問い合わせしたりしてみてより安心できる原材料のフードを選ぶのがお勧めです。

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