※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

ドッグフードの着色料(くちなし)

くちなしの色素は近年多くの食品に利用されるようになった天然着色料です。

黄色の合成着色料(タートラジンやサンセットイエローFCF)は健康への影響が心配されることがあり、天然の着色料への需要が高まっていることからドッグフードにも従来の合成着色料ではなく、くちなし色素が使用されていることがあります。

「くちなし」について

くちなしはアカネ科に属する植物で、乾燥した果実は古くから漢方薬や着色料として使用されており、栗きんとんやおこわの着色などに使用されてきました。
天然の果実にはイリドイド配糖体、カロテノイド、精油、脂肪油、糖類などが含まれており、ます。

くちなし色素について

くちなし色素はカロテノイドと呼ばれる色素に当たり、主成分はクロシン、クロセチン、イリドイド化合物(ゲニポサイド、サンジサイド、ゲルデノサイドなど)などで、クロシンやクロセチンはサフランの黄色色素にも含まれていることが知られています。
くちなし色素に含まれるクロシン含有量は約71%で、くちなし色素中の成分のほとんどがクロシンだと考えられています。

クロシンの特徴

クロシンは水には溶けるもののエーテルや油には溶けず、水溶液では黄色になります。
熱と光には強く安定していますが、酸性の環境に弱く、アスコルビン酸を添加することで安定しやすくなると言われています。

くちなし色素の毒性について

くちなし色素をラットに与えた急性毒性試験(通常使用よりもかなり多い量を投与する実験)では、投与後1~2時間から尿が淡青色あるいは黄緑色になり、翌日には正常に戻る変化が見られたそうです。

糞は投与後1~2時間から黄色ないし橙赤色の下痢になり、約4時間後には黄緑色ないし緑色になり、下痢は1日後に回復したそうです。
その他の変化では投与後3日間体重の増加が抑制されたこと以外、特に変化が見られなかったと言われています。
また観察終了後の剖検では肝臓に変性部位が見られたそうです。

上記の尿と糞の色味の変化や下痢の原因に関しては、クチナシ色素に含まれるイリドイド化合物(ゲニポサイド、サンジサイド、ゲルデノサイドなど)によるものと考えられています。
肝臓の変性部位にどの成分が影響したのかについては、わかっていません。

ゲニポサイドにはいわゆる下剤のような潟下作用があり、食品に使用した時には緑変を起こすことでも知られています。

くちなし色素の抗酸化作用

くちなし色素を始めとした植物のカロテノイド色素は、抗酸化作用が期待されている成分です。
またくちなし色素に含まれる成分は、リノール酸の酸化を80%程度抑制したという報告もあります。

犬は食事を選ぶ際に視覚からの情報をあまり重要視しないため、食欲増加目的としての犬への効果はあまり見込めませんが、上記のことからくちなし色素についてはドッグフードの酸化防止という意味で、ある程度効果が期待できる成分と言えます。

くちなし色素とアレルギー

くちなし色素は人間ではアレルギー症状を引き起こす可能性があり、経口で摂取することで日光過敏症を引き起こすこともあるようです。
犬でも同様の症状を起こすかどうかは不明ですが、これも念のため覚えておきたい内容と言えます。

合成の着色料と同様、天然の成分にもリスクがあり、完全に安全とは言い切れない部分があります。
そのため、くちなし色素を使用したフードを与える場合はよく犬の体調を観察してみて、犬との相性が悪いと感じた場合は使用を中止するのがお勧めです。
ドッグフードの成分を見直したり、獣医師など専門家に食事について相談したりなどして、犬にとってより良いと思えるフードを選んであげるようにしましょう。

おすすめコラム一覧Related column