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ドッグフードの発色剤(硝酸カリウム)

硝酸カリウムは硝酸塩の一種で、食品添加物としてチーズなどへの使用が認められており、ドッグフードにも発色剤として利用されることがあります。

硝酸カリウムの危険性

硝酸カリウムや硝酸ナトリウムは人間では口腔内で微生物によって亜硝酸塩に還元されます。
胃の中に食べものがたくさんある場合は胃の中でも微生物による還元を受けて、亜硝酸塩に変化することがあるようです。

また硝酸塩は犬猫の腸内細菌によって亜硝酸塩へと変化します。
犬猫はタンパク質の摂取が多いため発がん物質・ニトロソアミンの生成に必要な二級アミンも腸内で作られやすく、犬猫の腸内では二級アミンと亜硝酸塩とが反応して発がん物質であるニトロソアミンが作られやすいのではないかとも考えられています。

また亜硝酸塩は犬猫がメトヘモグロビン血症を引き起こす原因となる物質とも言われており、亜硝酸塩と合わせて硝酸カリウムも飼い主にとって心配になることが多い物質です。

硝酸カリウムの食品中での変化

硝酸カリウムは体内で変化するだけでなく、食品中に存在している硝酸還元菌によって亜硝酸塩に変化することがあります。

ただし加工食品中の硝酸還元菌による、硝酸塩の還元システムはとても複雑です。
例えば加工食品であるチーズでは発酵中の菌の異常増殖を抑えるために硝酸塩を添加することがありますが、硝酸も亜硝酸も発酵を経て最終的には微量になることがわかっています。

また清酒でも発酵調整剤として硝酸塩が使用されることがありますが、硝酸還元菌によって硝酸が分解されます。
さらにそこから生成される亜硝酸も発酵途中で分解されてしまうため、どちらも最終的にはほとんど存在しない形になるようです。

硝酸カリウムの毒性は不明

上記のように食品に含まれる硝酸カリウムは、硝酸還元菌やその他の成分によって分解され転換されていくため、硝酸カリウムがどの程度、亜硝酸塩に変化するのかがよくわかっていません。
そのため硝酸カリウムをどの程度とると毒性を持つのかについても、はっきりとはわかっていないようです。

硝酸は水やフード原材料にも含まれている

硝酸は水やフード原材料にも含まれており、特に植物性の原材料に多く含まれていることがわかっています。

犬の体内での硝酸・亜硝酸還元について

犬も腸内細菌によって硝酸や亜硝酸が作られています。
犬のこれらの反応を調べた研究では、加齢とともに硝酸還元速度と比べ、亜硝酸還元速度の方が減少しやすく、犬は年をとるほど亜硝酸が蓄積されやすくなることがわかったそうです。
また上記の腸内状態は発がん物質・ニトロソアミンの生成に関わる菌を増やすことにつながっていると考えられています。

高齢犬の腸内環境維持に役立つと考えられている成分や環境

この犬の腸内での硝酸還元と亜硝酸還元は中性の状態でよく働き、酸性に近づくにつれて還元能も低下しやすかったものの、pH5以下では亜硝酸が還元されたそうです。
そのため上記高齢犬の還元速度を一定にし、発がん物質が作られないようにするためには、腸管内をpH6付近の弱酸性に維持するのが望ましいようです。

また硝酸還元と亜硝酸還元の速度を増大させるためにギ酸や、亜硝酸還元活性が高い微生物をプロバイオティクスとして添加するのが効果的ではないかと研究が進められているようです。

硝酸塩が亜硝酸塩に変化すると発がん物質であるニトロソ化合物を生成したり、また亜硝酸塩によるメトヘモグロビン血症を起こしたりすることが考えられます。

ただし硝酸塩は体内で変化する危険性はあるものの、どの程度体内で変化するのか不明な点が多く、ペットフード安全法の基準規格でも硝酸カリウムについては特に制限が設けられていません。

ただし発色剤は犬にとってあまり必要ないことから、なるべく避けるのが無難な添加物と言えそうです。
フードを選ぶ場合は、原材料表示をよくチェックして犬に与えるようにするのはもちろん、日頃から犬の体調をよく観察して、フードとの相性が良いかどうかをよく確かめるようにしましょう。

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