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ドッグフードの保存料(パラオキシ安息香酸)

パラオキシ安息香酸は広い菌種に対して静菌作用を持つ保存料で、パラベンと呼ばれることもあります。
パラオキシ安息香酸は水に溶けにくい性質を持っていることから、水溶性の安息香酸ナトリウムが保存料として使用されることもあります。

天然の動植物に含まれる安息香酸について

安息香酸は天然の植物の中ではクランベリーやあんず、梅やプルーンなどに含まれ、バラ科の果物に多く、ミカン科の果物の皮、シソ科の茶葉(クミスクチン茶)などにも含まれることがあります。

また動物性食品では乳製品に多く、特に乳清に多く含まれており、チーズやヨーグルトにも含まれています。
チーズでは原材料に含まれる馬尿酸から乳酸菌によって安息香酸が作り出されています。

天然にも含まれる成分だが、安全ではない?

安息香酸は天然の動植物に含まれている成分のため、安全だと思われることも多いですが、パラオキシ安息香酸は犬に対しての毒性が報告されています。

パラオキシ安息香酸の犬の半数致死量・毒性について

パラオキシ安息香酸には様々な種類があり、パラオキシ安息香酸エチルと呼ばれる種類では、体重1kg当たり5gが半数致死量とされており、1kg当たり4gで有害な影響があるそうです。
またパラオキシ安息香酸メチルエステルの犬の半数致死量は体重1kg当たり3gで、1kg当たり2gで毒性を示すそうです。

パラオキシ安息香酸プロピルと呼ばれる種類では、犬の半数致死量が体重1kg当たり6gで、1kg当たり3~4gで毒性を示すそうです。

上記保存料は使用するにあたって限度量が定められており、ドッグフードについても上記毒性を与えるような過剰な量を通常添加することはないと考えらます。

ただしドッグフード安全法の基準値としてパラオキシ安息香酸の使用限度量が定められている訳ではなく、安息香酸の成分分析を行うかどうかについてはフードメーカー独自の判断に任されているのが現状です。
そのため、過剰な用量によって毒性があるということだけは覚えておいた方が良いでしょう。

その他、報告されている安息香酸の危険性について

また添加物として使用されることのある安息香酸ナトリウムは、アスコルビン酸(ビタミンC)と共存する環境で、熱や紫外線、金属イオンの影響を受けるとベンゼンという有害物質が作られることがあると言われています。

人間用の食品で上記反応によってベンゼンが検出されているのは、主にソフトドリンクや栄養ドリンクなどの飲料水です。
そのため犬用の飲料水として販売されている商品も、上記条件が整えば同じようにベンゼンが生成される可能性が考えられるため注意が必要です。

安息香酸の抗菌力

安息香酸はソルビン酸と同じように酸性の状態で抗菌力がよく働き、パラオキシ安息香酸は微酸性の状態でも抗菌力を示す特徴がある保存料です。
また細菌に対しては広い抗菌性を持つものの、カビに対してはあまり効力を持たないことが知られています。

同じ保存料として使用されることの多い添加物・ソルビン酸よりも歴史が古く、ドッグフードや犬用おやつなどの食品を始め、犬用ケア製品などにも防腐剤として広く利用されています。

安息香酸は保存料としての有用性と同時に、有害性についても様々な懸念を持たれている保存料です。
パラオキシ安息香酸が保存料として使用されている場合は、犬との相性をよくチェックして、合わないと感じた場合は他の保存料を使用したフード、あるいは保存料無添加のフードから合うものを選んであげるようにしましょう。

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