ドッグフードの保存料(安息香酸ナトリウム)

安息香酸は天然の動植物にも存在する成分で、植物ではクランベリーやバラ科の果実、香辛料に含まれることが知られています。
動物性の食材では発酵乳製品に存在し、特に乳清に多く含まれ、チーズでは乳酸菌によって馬尿酸から安息香酸が作られることが知られています。

保存料として使用される安息香酸ナトリウムは合成で作られた化合物で、水に溶けにくい安息香酸を溶けやすくするため、ナトリウム塩にしてあります。

安息香酸ナトリウムの安全性について

安息香酸ナトリウムは古くから保存料として使用されてきた添加物で、ソルビン酸よりも前から利用されています。
そのため人間用の食品を含め、ドッグフードや犬用おやつ、犬用ケア用品などで幅広く利用されています。

ただし幅広く利用されている保存料だから安心で安全だとは限らず、安息香酸や安息香酸ナトリウムには今でも様々な懸念が持たれています。

安息香酸ナトリウムの毒性について

安息香酸ナトリウムの犬の急性毒性については、体重1kg当たり2gの使用で半数致死量が認められています。
また体重1kg当たり1gを250日間投与した試験では毒性は見られなかったものの、これ以上与えると運動失調、てんかん、死亡が起こると言われています。
また安息香酸ナトリウムは弱いながらもDNAを損傷させる作用が認められています。

保存料は使用限度量が定められている添加物で、ドッグフードでも上記のような過剰な安息香酸ナトリウムが添加されることは考えにくいですが、ペットフード安全法では安息香酸の限度量などについて特には定められていません。

またフード中の安息香酸含有量の分析は、フードメーカー独自の判断に任されているのが現状です。
そのため過剰な量の安息香酸ナトリウムは、犬にとって有害だということは覚えておいた方が良いかもしれません。

安息香酸と他の成分の反応

安息香酸とビタミンC(アスコルビン酸)が添加されている人間用の清涼飲料水では、温度や紫外線、pHや金属イオンなどの様々な影響を受けると有害物質であるベンゼンが作られやすいことがわかっています。

犬用の飲料水やジュースとして販売されている商品にも安息香酸が使用されることがあり、上記条件が整えば犬用飲料水でも同様にベンゼンが作られる可能性があるため注意が必要です。

安息香酸ナトリウムの抗菌力

安息香酸ナトリウムはソルビン酸と同様、酸性の環境で抗菌力を示す添加物で、保存料として使用する場合は酸性の環境を長く維持するために、pH調整剤を同時に添加することがあります。
また細菌に対しては広い抗菌力を持つものの、カビに対してはあまり効力がないという特徴があります。

日本は梅雨から夏場は高温多湿の時期が続き、この時期は微生物も繁殖しやすいため長く常温保管が必要となるドッグフード(特に水分含有量の多いセミモイストやソフトドライのフードなど)では保存料の使用が欠かせないことがあります。

ドライフードの中には保存料を使用していないフードも多く、密閉容器や乾燥材を利用するなど適切な保管方法によって保存料の使用を避けられる場合もあります。
そのためフードに使われている保存料が気になる場合はドッグフードの種類について見直してみたり、ドッグフードの適切な保管方法についてもう一度見直してみたりするのがおすすめです。

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