ドッグフードの歴史

ドッグフードの原型と呼ばれる犬用ビスケットが初めて作られたのは、1860年の頃です。
この犬用ビスケットはロンドンに住んでいたアメリカ人のジェームズ・スプラット氏によって考案されました。

当時、航海用の食料として積み荷されていたビスケットを、航海終了後に波止場に捨てる習慣があり、それを犬がおいしそうに食べているのをジェームズ・スプラット氏が発見して犬用ビスケットの発売を思いついたそうです。

この犬用ビスケットが発売されてから150年以上の歳月を経て、今のドッグフードがあります。
その150年の間に、ドッグフードにどのような変遷があったのかをご紹介します。

ドッグフードの年表

ドッグフードの変遷(海外・日本含む)は以下のような年表で大まかにあらわすことができます。

1860年 犬用ビスケットが商品化される 1922年 アメリカで馬肉の犬用缶詰(ケネルレーション)が発売される 1927年 アメリカのゲインズ社が初のドライドッグフードを発売する 1950年代後半 ドッグフード製造にエクストルーダーの導入開始 1957年 アメリカのピュリナ社が、エクストルーダー導入によるドライドッグフード第一号「Dog Chow」を製造 1960年 日本で初の粉末状ドッグフード「ビタワン」が発売 1960年代 日本でペレット状、ビスケット状のドッグフードが発売 1960年代 日本で初めてエクストルーダー導入によるドッグフードが製造開始 1980年代 プレミアムフードの販売開始 2000年以降 プライベートブランドのドッグフード、犬の年齢別・体形別フード、各種疾患に対応したフードなどドッグフードの多様化が始まる 現在多種多様なドッグフードが販売されている背景には、上記のような歴史があります。
ドッグフード自体は150年以上という長い歴史がありますが、日本でドライドッグフードの流通量が伸びだしたのは1960年代半ばごろからです。
つまり日本ではドッグフードが根付いてから、およそ50年の年月しか経過していないことがわかります。

エクストルーダー製法によるドライフードが根付いた理由

ドライフード製造現場で今は当たり前のように根付いている、エクストルーダー(押出成形)製法ですが、この製法に使用する機械はもともとプラスチックの製造に使用されていたものでした。
この機械をドッグフード製造に使うことができないかと、初めに思いついたのがアメリカのピュリナ社にいたコービン博士です。

エクストルーダーはドッグフードの大量生産を可能にするだけでなく、犬や猫が消化しにくいでんぷんを吸水・加熱することで、消化酵素(アミラーゼ)の影響を受けやすい、消化しやすいでんぷんに変えてくれます。
そこに目をつけたのがコービン博士でした。

エクストルーダー製法では上記の通り、消化しやすいフードが大量生産できるだけでなく、食材に付着する微生物を加熱殺菌することで安全なフードづくりにも一役買っています。
とのためコービン博士の採用により1950年代後半から導入され始めたエクストルーダー製法ですが、犬猫がより安心して食べられる食品を追及するために、今もなおペットフード製造現場で採用され続けています。

昔の日本では犬に残飯を与えるのが日常風景でしたが、そこにドッグフードが登場し、瞬く間に普及していきました。
今、与えているようなドッグフードが人々の暮らしに定着するようになってからはまだ日が浅いものの、長い歴史の中で人々が工夫を重ねた結果として、今のような多種多様なスタイルのフードが販売されるようになったと言えます。

これから先、どのようにドッグフードが進化していくのかはわかりませんが、犬にとってどのような食事が最も適しているのか、それを見極めていくことがより良いフードづくりに反映され、つながっていきます。
ぜひたまには過去の歴史を振り返り、愛犬に最も適したフードとは何かを考えるヒントにしてみてください。

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