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ドッグフードの栄養添加物(硫酸銅)

銅は肉類に多く含まれているミネラルで、畜肉副産物にも多く含まれています。
ただし動物由来の銅は、体に取り入れやすい銅とそうでない銅とがあり、反すう動物や鶏のレバーに含まれる銅は取り入れやすいのに対し、豚レバー中の銅は体に取り入れにくいことがわかっています。

ドッグフードでは栄養添加物として体内で利用されやすい、硫酸銅などの化合物を添加しているため、銅不足が起こる心配はありませんが、食品から銅を摂取させたいと考えている場合は肉の種類にもこだわって選ぶのがおすすめです。

銅に反応しやすい犬種について

銅は摂取量が増えると排泄される量も増えるため、過剰症についてはあまり心配いらないと言われていますが、一部の犬では銅が体内に蓄積しやすいことが知られており銅の量が通常量でも体調に異常があらわれることがあるため注意が必要です。

銅由来の肝中毒症や肝疾患はベドリントン・テリア、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ドーベルマン・ピンシャー、コッカースパニエル、ダルメシアン、ラブラドールリトリバーなどがかかりやすいと言われています。
その他にはワイヤー・フォックステリア、エアデールテリア、ゴールデン、ジャーマン・シェパード、ペキニーズ、コリー、ブルドック、シュナウザー、プードル、サモエドなどで銅由来の肝臓の病気が多いと言われています。

肝臓の病気にかかった場合は適切な治療と共に食事療法が必要になるケースがあるため、獣医師に診断を受けると共に適切な食事についても相談を行うようにしましょう。

銅の蓄積と排泄について

体内に存在する銅の内、約半分は筋肉の中に存在しており、内臓では肝臓、腎臓、脾臓、骨髄に銅が蓄積されています。
過剰となった銅は主に胆汁を介して便へと排泄されており、少量が腎臓を介して尿へと排泄されます。

また体内に取り入れた銅の一部は腸の上皮細胞にも蓄積されており、上皮細胞がはがれると同時に銅も排出されます。

銅の吸収率は様々な要因によって変わる

体内に取り込まれた銅は血液によって運ばれ、肝臓や腎臓に蓄積されますが、取り入れた銅がすべて体内に運ばれて利用される訳ではなく、使用する銅剤の違いや、他の栄養素との相互作用によって体内で利用できる確率は大きく変わってくることがあります。

例えば消化管内には銅以外にも亜鉛やカドミウム、モリブデンなどのミネラルが存在していますが、これらのミネラルは消化管内に蓄積する銅が体内に吸収されるのを抑制する働きをしています。

また食事に含まれるビタミンCも消化管内で銅の吸収を抑制する働きがあり、胆汁や食物繊維は銅と結びつきやすい性質があるため、同じように消化管内で銅の吸収を妨げる効果があると言われています。

さらには同じミネラルである鉄と亜鉛も銅の吸収を妨げることがあり、鉄や亜鉛の多い食事では銅の利用率が下がります。
逆に銅をとりすぎると亜鉛や鉄分の吸収を阻害し、亜鉛欠乏や鉄欠乏が起こる可能性があります。

銅の過不足症状について

銅が不足した場合、犬では被毛の脱色が起こりやすいと言われています。
また貧血や骨折、骨軟骨症などが銅欠乏症の症状としてよく知られています。

また、銅イオンには抗菌作用があるため、銅を過剰に取り入れると便が黒くなったり、便の状態が良くなったり、便の匂いが和らいだりすることがあるようです。

ただし銅の摂取は上記の通り様々な要因に影響されやすく、とる量が増えると排泄される量も増えることから、上記のような過不足症状は一般的なドッグフードを与えている場合はあらわれにくいと考えられています。

ただし銅に反応しやすい犬種がいたり、銅以外の成分によって吸収が阻害されたりする可能性もあることから、ドッグフードと犬との相性が悪い場合は適切な食事や犬に合った栄養バランスについてもう一度見直す必要がでてきます。
心配な場合は栄養について詳しい獣医師などの専門家の力を借りて、犬に合ったフードを探してみるようにしましょう。

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