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ドッグフードの素材(大麦)

とうもろこしならコーングルテンやコーンミール、小麦なら小麦グルテンや小麦胚芽・ふすまなど、ドッグフードに使われる穀類は加工した製品や副産物、穀類の一部のみを使用したケースがよく見られます。
一方で大麦の場合、一部のフードで大麦の糠が使用されることはあるものの、多くのフードでは大麦そのままの名前でドッグフードの原材料欄に表記されています。

大麦は他の穀物に比べて製品化する時に無駄になる部分が少なく、粒をそのまま利用するケースが多いことから、ドッグフードも大麦そのままの形で利用しやすいようです。

ちなみに大麦は人間の食用と飼料用とがあり、日本では食用大麦の100%を自給することができていますが、飼料用大麦は100%輸入に頼っています。
そのため国内で製造しているドッグフードに使われている大麦が飼料用なら輸入品、食用なら国産品である可能性が高いと考えられます。

飼料用大麦について

国内で流通している輸入品の飼料用大麦は、政府が生産国から輸入して業者へ売り渡す政府操作飼料と呼ばれていた飼料です。
現在では輸入方式が変更されたものの政府が関与する輸入品であることには変わりなく、飼料用大麦を流通させるにあたっては加工・変形させることが国から義務付けられています。
そのため飼料用大麦には皮つきあるいは皮なしの圧片(あっぺん)大麦か、ばん砕機によって細かく砕いたばん砕大麦、あるいは粗めに砕いた挽き割り大麦の4種類があります。

圧片(あっぺん)大麦は加熱・加圧加工されているため、でんぷんが消化しやすくなっています。
一方、ばん砕大麦や挽き割り大麦は生のまま加工されているため、加熱・加圧は主にドッグフード製造中に行われます。

いずれも加工食品製造途中に出る副産物ではなく、大麦がそのまま加工されているため、大麦そのものの栄養素がとりやすい素材と言えます。

大麦の特徴について

大麦が小麦と大きく異なるところは、グルテンがほとんど含まれていないことです。
大麦に含まれているタンパク質はホルデインと呼ばれ、グルテンのような粘りはありません。

また大麦は他の穀物に比べて水溶性食物繊維が多いことが知られています。
米や小麦は外皮部分に食物繊維が多く含まれていますが、大麦は精麦で残る胚乳と呼ばれる部分にでんぷんと食物繊維が豊富に含まれているため、精白作業によって食物繊維が失われることがありません。
また大麦に含まれる水溶性食物繊維の大部分がβグルカンと呼ばれる繊維で、血糖値やコレステロール値の改善が期待されている繊維です。
海外の多くの国では大麦が各種疾患のリスクを低下する点で評価され、その効果を謳うことを認めている国もあるようです。
また大麦の繊維の中にはアラビノキシラン(ヘミセルロース)も多く含まれています。

大麦に含まれるビタミンとミネラルについて

大麦には食物繊維と共にビタミンやミネラルが多く含まれており、ミネラルではカルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛が、ビタミンではビタミンB群とビタミンEが豊富だという特徴があります。

また大麦に含まれる栄養素で特徴的なのが、銅の含有量が多いことです。
銅はタンパク質と反応し、さまざまな触媒効果を持つことから必須ミネラルとされていますが、犬種によっては銅が肝臓に蓄積しやすいことがあり、銅由来の肝中毒症や肝臓疾患を起こすことがあるため注意が必要です。

銅由来の肝中毒症や肝疾患はベドリントン・テリア、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ドーベルマン・ピンシャー、ダルメシアン、ラブラドールリトリバーなどでかかりやすく、その他にはワイヤー・フォックステリア、エアデールテリア、ゴールデン、ジャーマン・シェパード、ペキニーズ、コリー、ブルドック、シュナウザー、プードル、サモエドなどで銅由来の肝臓の病気が多いと言われています。

それぞれ犬種によって肝中毒症や肝疾患にかかるリスクの高さ・低さが異なり、日頃から注意するレベルもそれぞれに異なります。
そのため適正な銅の摂取量について心配な場合は、一度獣医師などの犬の栄養に詳しい専門家に尋ねておくのがお勧めです。

大麦はさまざまな健康効果が期待されていることから、ドッグフードにも使われることが増えている素材ですが犬との相性が必ずしもいい素材とは限りません。
上記を参考に犬の体調・体質をまずは優先して、犬にとって相性のいい素材を使用したフードをぜひ選んであげてみてください。

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