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ドッグフードの甘味料(ビートパルプ)

ビートパルプは砂糖大根(甜菜)から砂糖を製造する過程で出る絞りかすです。
水に不溶性の食物繊維と可溶性の食物繊維とが両方バランス良く含まれているため、ドッグフードでは主に食物繊維源として利用されることの多い原材料です。

ただしビートパルプは噛むと甘味があることから、甘味料としての役割もあると予想されています。

ビートパルプに含まれる糖の種類

ビートパルプに含まれている糖類には多数の種類があり、その割合はグルコース(ブドウ糖)が26.9%、アラビノースが22.1%、ガラクトースが5.9%、ウロン酸が3.0%、キシロースが1.5%、フラクトースが0.9%含まれているという報告があります。
それぞれの糖分の特徴は以下の通りです。

・グルコース......
ブドウ糖とも呼ばれる糖。
血糖として血液内を循環し、体内で重要なエネルギー源となっています。
体内ではインスリンによって常に濃度が一定になるよう保たれていますが、糖尿病などインスリン機能に異常があらわれると血糖値のコントロールができなくなり各種疾患につながりやすくなると言われています。

・アラビノース......
ビートパルプだけでなく、米や小麦など植物の繊維質の部分に多く含まれている糖です。
砂糖の約半分程度の甘味があり、小腸で吸収されにくくグルコースの吸収を抑える作用があることから、ダイエット用甘味料として利用されることがあります。

・ガラクトース......
グルコースと共に乳糖を構成する成分で、エネルギー源となる糖分です。
子犬は乳糖を分解する酵素の活性が高いため乳糖を利用できますが、成犬になると酵素の活性が下がり、乳糖を利用できなくなるため下痢などの症状を起こすことがあります。
乳糖が分解され、グルコースとガラクトースに分解されると体内で利用できるようになります。

・ウロン酸......
アミノ糖とともにヘテロ多糖類を構成する物質です。
ヘテロ多糖類は植物由来だと寒天やグルコマンナン、キシロースなどがあり、動物由来ではヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸、唾液や粘液の粘性物質であるムコ多糖類などがあります。

・キシロース......
アラビノースと同様、小腸で吸収されにくくグルコースの吸収を抑える作用がある糖です。

・フラクトース......
果糖とも呼ばれる糖で、はちみつや果物、根菜などに大量に含まれている糖分です。
天然に存在する糖の中では最も甘く、ブドウ糖と共に砂糖を構成する重要な成分となっています。

犬とビートパルプについて

ビートパルプは上記のように甘味のある糖分を含んでいますが、主に食物繊維源として利用されることが多く、甘味料としての役割よりも食物繊維としての役割を重要視されている原材料です。

また犬に与えた時も食物繊維としての働きの方が大きくなり、犬にビートパルプを添加した食事を与える試験では、食後のグルコース変動に大きな影響はなく、インスリンの分泌量も繊維量が多くなるのに従って減少したという報告があります。

食物繊維は食べものの消化吸収スピードをゆるやかにしてくれ、急激な血糖値の上昇を抑えて満腹感を維持してくれる効果があります。

ドッグフードに含まれる繊維の割合

ドッグフードに含まれる食物繊維の割合は、一般的な総合栄養食では1~4%となっており、それ以上含まれている、あるいは繊維量がそれ以下である場合は肥満犬や高齢犬、あるいは何等かの疾患に特化した健康管理が目的の療法食が多い傾向にあります。

上記のように食事で体調をコントロールするためには、フードに含まれる繊維の量が重要になることがあります。
ビートパルプを使用したフードでは、フードに含まれている繊維量についてもチェックしておき、犬の体調維持に適切な量かどうか確認するのがお勧めです。

またビートパルプには遺伝子組み換え作物が使用されていることがあるため、できれば国産ビートパルプを使用しているフードを選ぶのがお勧めです。

またビートパルプを始めとした食物繊維は、それぞれの犬に適した量があると考えられているため、犬と相性がいいかどうかをしっかり確かめて、体調に問題がないことを確認しながら与えるようにしましょう。

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